「ああ、私が10人いれば、すべての療法を試してみるのに」。
2006年に逝った著者が最期の力をふり絞って執筆した壮絶ながん闘病気を収録する「私の読書日記」(「週刊文春」連載)と、1995年から2005年まで10年間の全書評。ロシア語会議通訳・エッセイスト・作家として活躍した著者の、最初で最後の書評集。
打ちのめされるようなすごい本について

概要
著者 | 米原万里 |
発売日 | 2009年5月8日 |
ページ数 | 583ページ |
著者 米原万里について
1950年生まれ。元ロシア語会議通訳、作家。
59~64年、在プラハ・ソビエト学校に学ぶ。東京外国語大学ロシア語科卒業、東京大学大学院露語露文学修士課程修了。80年設立のロシア語通訳協会の初代事務局長を務め、95~97年、03~06年会長。92年、報道の速報性に貢献したとして、日本女性放送者懇談会賞を受賞した。著書『不実な美女か貞淑の醜女か』(徳間書店、新潮文庫)で読売文学賞、『魔女の1ダース』(読売新聞社、新潮文庫)で講談社エッセイ賞、『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』(角川書店、角川文庫)で大宅壮一ノンフィクション賞、『オリガ・モリソヴナの反語法』(集英社、集英社文庫)でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。2006年5月、逝去
打ちのめされるようなすごい本の評価・レビュー
評価平均 | 4.3 ★★★★☆ |
amazon | 4.2 ★★★★☆ |
楽天ブックス | 4.4 ★★★★☆ |
ブクログ | 3.9 ★★★★☆ |
ホント | 4.4 ★★★★☆ |
主要書評サイト
読書メーター | ブクログ | ホント |
打ちのめされるようなすごい本の評価・レビュー記事
「打ちのめされるようなすごい本」に打ちのめされる
何がスゴいかというと、彼女の読みっぷり。平均7冊/日のペースを20年も続けている無類の本好き、読書好き。書評委員という立場もあり、出版社からの献本もあるだろうが、「面白い本」を見つけてくる嗅覚がスゴい。ハズレの無さは驚異的といってもいいほど。

打ちのめされるようなすごい本 米原万里
氏は「ゴルバチョフ~」について「サラリと目を通すつもりで頁を開いたら、結局、引きずり込まれてしまった」、「この膨大な分量を読ませてしまう構成力、筆力には文学的才能を感じる」と評価しているが、この570頁の書評集も同じ、いやそれ以上だ。
政治・経済、歴史、国際、科学、宗教、ヤングアダルト小説、サブカルチャー、犬猫・・・驚くほど幅広い分野の本を、爆発的な面白さでブレることなく評しつづけてきた米原氏の手腕には、尊敬を通り越して畏怖すら感じる。
「打ちのめされるようなすごい本」 読了 ?教養のブックリストとして
単純なブックリストとしても、エッセイとしても、書評としても面白い本であったが、思想と時代性ということについても、考えさせられる一冊であった。
まとめ
著者 | 米原万里 |
発売日 | 2009年5月8日 |
ページ数 | 583ページ |
総合評価 | 4.3 ★★★★☆ |